オリコン1位で嬉しかったこと

ちょっと遅れた話題ですが、DEF.DIVAのシングルがオリコンで1位を取りましたね。何はともあれ、嬉しいことです。各メディアでトップに紹介されるというのは気持ちのいいものです。一方で、売り上げ枚数としては、過去に1位を獲得したシングルの中で最も少なかったとのこと。ふーん、そんなものなのか。やはりCD自体が売れなくなってきているのですね。


予想通りの界隈で、予想通りのくだらない議論が為されていたことと思います。見てませんけどね。見てないくせにあえて突っ込みを入れてみるとすると(笑)、「発売日が良かったから1位だっただけだ」を言うなら、日本のCD(レコード)で1位の資格があるのは「およげ!たいやきくん」だけということになってしまいますよね(笑)*1。あれは「その週に最も買われた」ってことに焦点を当てたという、数多あるランキング形式のたった一つにすぎないわけです。そこに焦点を当てているのに、「他の週だったならば」などと言うのは滑稽です。というか、天邪鬼な僕は、マーケティング側のみならず消費者までが過剰にそれを信奉している昨今の状況が全く理解できないといった感じです。そういう意味で、刹那的な心地よさはあるけれど、だからといってどうということもない、という感覚でした。*2


それに、「オリコン絶対文脈」で語るにしても、僕の記憶が確かならば、かつてモーニング娘。は(今も同じ感覚でしょうが)サザンオールスターズが出そうが浜崎あゆみが出そうが宇多田ヒカルが出そうが、構うことなくシングルを同日に発売していました。僕はその心意気を心地よく思っていたものです。巧妙に発売日を計算して「連続1位記録」なんて吹聴することに比べれば、よほど潔い。いいじゃないですか、無頓着に選んだ発売日がたまたま「谷間」の日だった、なんてラッキーが一度ぐらいあっても。


書きすぎました。前置きはこの辺にして…。


ともかく嬉しく感じたのは、なっちが北海道のローカル番組にキャンペーンで出演した際のこと。その時はまだ、デイリーで2日連続1位を獲得したという状態だったのですが、それについてなっちはとても嬉しそうな顔で感謝を述べていました。その表情。


いつかなっちが、ラジオで『LOVEマシーン』がミリオン・セールスを突破したことを知った時の話を語っていました。裕ちゃんから電話で聞かされたのだったかな……ちょっと記憶が曖昧なのですが。なっちはその数字というより、それだけたくさんの「一人一人」がCDを手に取ってくれたことを想像すると感動した、というようなことを言っていたように思います。僕はそれが非常に印象的でした。どれだけ有名になっても、『愛の種』の手売りの感覚をこの子は忘れていないのだなと思った気がします。あくまで「総体としての数」より、それを構成する「一人一人」に思いを馳せ、感謝の気持ちを語ってくれるなっちに、僕はとても感動したものです。僕がそのうちの一人であったから。


で、そんななっちの感覚が、今も変わらずあるのだなということを実感できたのが、その「どさんこワイド」出演のとき。1位という結果より、それを再認識できたことを僕は何より嬉しく感じました。


もちろん、CDを出して飯を食っている人間として、数字について思うことはあるでしょう。だけどその思いはリスナーに向けるべきものでないということを彼女は知っています。リスナーに向けるべき思いは他にあるということを。
だからこそ、僕は「一人のリスナー」として、それに応えるにふさわしい方向を向いた想いを深め、時にはここに書いていこうと思っているのです。


そんな感じでした。


蛇足ですが。
最近目にしたランキングで心から嬉しかったのは、ゆうせんの問い合わせランキング。これは6番目ととらえていいのだと思います。以前に見たときよりもかなり上昇しています。「たからもの」を聴いて心打たれ、「あれは誰の何という曲か?」と問い合わせた人がかなりいるということですよね。そういうのって大切だと思うのです。

*1:追記:違うか。初動枚数の問題になるから、Mr.Childrenの『名もなき詩』なのかな(調べました)。何にせよ、一つの曲のみになってしまいますよね

*2:1位という数字はともかく、これをきっかけになっちの素晴らしさを知ってくれる人がいたらいいな、とは思いましたよ、もちろん。ただ数字自体への感興はさほどでもないということです