ライブのネガティブな面について

ライブでの迷惑行為とは何でしょうか。思うに、ライブにおける殆ど全てのマナーは「暗黙の了解」によって成り立っているんですよね。それこそ、当然のごとく皆が行っている、「席から立ち上がること」もそう。「サイリウムを振ること」や「ステージに向かって大声で声援を送ること」もそうです。「ファンの中から批判的な声を聞かない」「会場係員が注意しない」あるいは「サイリウムは公式に販売されているから可と考えてよい」といったことから行われていることで、どこに成文化された規則があるわけでなく、そういう点で「不文律」的なものが核にありますよね。


だけどこういう事柄に関しては慎重であるべきで、「多くの人がやっているから」などの理由で安易に流されてしまってはならないと思っています。「ファンとしての行動を自分の意思で選択する」ということと「想像力を最大限に働かせて他人の迷惑を慮る」ということ。これは守るようにしています。


個別的な事例については色々な所で書かれてきたと思いますし(例えば上にバナーも貼ってありますし)、改めて僕がだらだらと述べ立てるまでもないのですが、それでも一人のファンとして明言しておきたいことが幾つかあります。

22歳の私』イントロ部での絶叫は甚だ迷惑である

逆にこれを肯定する意見を見たことがありません。同一の人間がやっていて、しかもその人物はかなり多くの会場・公演に参加しているようですが、まさに迷惑千万、それ以上の何物でもないと考えています。
ステージに向かって声援を送る行為自体は僕もしますし、容認されるべきというか、むしろファンとして好ましい行為だと思います。でも時と場合をわきまえるべきです。その基準が人によって違い、大多数の人の基準では「激しい曲で叫ぶのはいいが、あのような曲では控えるべきだ」であり、その人物にすれば「激しい曲と変わりない、あの曲でも叫んで良い」ということでしょう。
ただその人物が認識すべきことは、前述の通りステージに向かって声援を送る行為はあくまで「暗黙の了解」のもとに行われているのだということです。初めから「する・しない」の二択が与えられているのではなく、「しない」が基本の状態であり「する」はライブの特質・客のテンションによって暗黙的に付け加えられたオプションであるということ。「する」と「しない」は対等な選択肢ではないのです。ですから、本来は自分で気付いて止めるべきことですが、少なくとも一度でも直接的にその行為が不快であると他の客に指摘されたならば、その時点でそれを止めるべきです。もはや社会人としてのモラルの問題です。
そして、直接にではありませんが、この場で僕も不快であるから、あの行為を即時止めて欲しいと明言しておきます。僕に言わせれば、イントロも歌の一部なのです。なっちが精神を集中してステージに立っているあの時間、すでに彼女は歌い始めているのです。

ステージへのレスポンス

上記のことについて、またステージへのレスポンスについては、id:natsumi-crazy:20050103で考えていたこととさして変わっていません。なっち復帰時のサイトのことについての話なのですが、この問題が大きく関わっているのです。僭越ながら、お時間がおありならば是非読んでいただきたいと思います。
以下、上記の自己の記述からの引用です。

まず出発点としては、コンサートには「コール・アンド・レスポンス」的な双方向性というものが存在するものの、基本には当然、舞台にいるハローのメンバーたちが「主」であり、客席にいる我々が文字通り「客」であるというという認識があるべきです。彼女たちが「発信する側」であり、我々が「受信する側」であるという。
(中略)
そもそもコンサートという祭の中で、さらに祭が行われるなどということは滑稽です。
(中略)
つまりは「ファンのエゴの発露」になってしまってはいけないということです。


これは、当時の「企画」のことを述べるにあたって僕自身の基本的な考え方を述べたもので、「それでも企画を提案するに至ったこと」を述べる上での譲歩的な位置づけで書いたものです。しかし僕の考え方の基本はずっとここにあります。そして、今付け加えて書くことは無いようにも思います。


エゴという言葉は使い方が難しいために、安易に使ってしまうと意図が伝わり難くなってしまうので避けるならば、「他者を巻き込んだ(迷惑をかける)自己満足」という表現になるでしょうか。例えば新宿土曜の夜公演、寸劇の途中で、大声で後の展開をバラしてしまうという輩がいました。2階右側から聞こえてきましたが、一体何を考えて叫んでいるのかが疑問でなりません。「何故そのようなことを叫んではならないのか?」をわざわざここに書く気にもなりませんが、ともかく例えばそのようなことが上記の自己満足です。ボードを掲げて、後方の人の視界を遮るのもそれにあたるでしょう。僕はそのような場合は穏やかに注意しますけれど。


憧れのメンバーが目の前にいる→アピールしたい。気持ちは十分にわかります。だけど人間なのだから、理性を働かせて欲しい。これだって、叫ぶという行為が「暗黙の了解」のもとに成り立っていることに気付けば簡単なことです。ボードに至っては、「暗黙の了解」の存在さえ疑わしい。少なくとも僕個人は認めていません。


「認識厨」などという言葉があるのかわかりませんが、愚かな連中にその様な記号を与える必要はありません。それが「まあ認識厨だから仕方ない」のようなわけのわからないエクスキューズになるのです。先日もあるハロプロの現場でステージ上のメンバーをも巻き込んでしまう出来事があり、それについての記事をめぐった騒ぎが起きていました(僕が昔から心密かに認めていたファンの方がそれに加担していたと知った時は、落胆さえしました)。ハロプロの現場全体でモラルが低下しているということを、残念ながら実感せざるを得ません。
「当たり前」をもう少し見直してみませんか。ライブのマナーの「当たり前」。自分がライブに参加するということの「当たり前」。昔はそんなに当たり前のことだったでしょうか。


それから、その他のことについても。

臭いんだよ、お前。

臭いことは迷惑です。読んでいるあなた、笑ってるでしょう(笑)。でも笑い事ではありません。「本当に臭い」という人が多すぎます。もちろん体臭の話です。
今回の「24カラット」の公演、僕は2度参加したのですが、2度とも目の前にいる方がかなりの臭さを放っておられました。生理的なことだし、あるいはご本人には自覚が無いのかもしれないという点で、上記の迷惑行為よりは同情的な気持ちにもなります。しかし、ライブ中ずっと「視覚・聴覚」ではこの上も無い喜びを感じながら「嗅覚」において不快感を味わわされ続ける周囲の人間の気持ちにもなって欲しい。これは大いに自覚を持つべきことで、香水を付けろとまでは言いませんが、「制汗スプレー」などというものも世にはあります。ぜひとも使用して欲しい。僕も、特に夏場の公演では気を遣っています。というか、それ以前に「きちんとシャワーを浴びてくる」とかそういうことが大切です。
それから、感情的な話になりますが、大好きな人に会いに行くんでしょう? もっと気を遣いましょうよってことです。恋のライバルのT氏はいつも、ライブに参加することを指して「今日は彼女とのデート」と一般的に見ればキモ心強いことを言っておられますが、僕も全く同じ気分です。彼女とのデートですよ。ワキの匂いを確かめましょうよ。神経質なほどに口の前に手をやって「ハーッ」ってやりましょうよ、高校生の頃のように!(おまえら年齢=彼女いない歴だろ、と揶揄したい気持ちは否定しませんw)
客席で堂々と上半身裸になって着替える(往々にしてその体は、とても美しいとは言い難い)という男としての羞恥心の無さにも文句を付けたいが、きりが無いのでやめておきます(笑)。


なんか色々書くにつけて、ごく当たり前のことを述べているだけのような気持ちになって、しかもそれが為されていない場面に良く出会うのだということを感じ、暗澹たる気持ちになってきました(笑)。