その「ショックな事実」

YUKIさんの息子さんが亡くなられたと聞いて、非常にショックを受けています。
YUKIさんについては、――一応ここの性質上、馬鹿げたことながら断り書きますが――なっちの最もリスペクトするアーティストだということを度外視しても、僕はJUDY AND MARY自体がなかなか好きで、ずっと注目していました。ソロになってからの活動でも、ますます彼女の音楽の世界は美しく軽やかに充実しているなと実感していたところです。最新作はまだ聴いていないのですが、最近の作品には特に旦那さんと息子さんへの深い愛情、それが見せる新たな世界を感じていただけに、ショックでなりません。
旦那さんについては、僕は実はYUKIさん以上に音楽的な思い入れが深いのです。YO-KINGという人を、真心ブラザーズ時代から素晴らしいロックンローラーとして敬愛していました。一昨年でしょうか、チャック・ベリーの日本公演の前座をO.P.KINGが務めたときに久々にYO-KING氏の姿を見たことを覚えています。真摯に、それでいて本当にロックンロールを楽しんでいて、「ロックンローラーかくあるべし」というような佇まいに心から憧れを抱いたものでした。


僕は子どもを持ったこともなければ、まして失ったこともないので、お二人の悲しみを想像することさえ難しく感じます。しかし、こんなに美しい心で真剣に音楽と向き合っている二人が、なぜこんなにも不条理で残酷な出来事に襲われなければならないのでしょうか。僕に何が出来るというわけではもちろんありませんが、しかし大きな無力感のような感情を覚えずにはいられません。


お子さんのご冥福を心からお祈りします。
お子さんの魂がいつまでもお二人と、その音楽とともにありますように。