安倍なつみ2ndアルバム『2nd〜染みわたる想い〜』超個人的感想(1)

もう発売から2ヵ月近くが経つ、このアルバム。毎日のように、というか本当に毎日聴いています。実際にはなかなか難しいのですが、本当は毎日一度は最初から最後まで通してノンストップで聴きたいんです。そのように思うのも、このアルバムに一貫する「ストーリー性」のためかな、と思います。


で、まあ普段のように誰も知りたくない僕の情況を述べますと(笑)、ちょうどこのアルバムが発売された直後の4月から、学問の場を移動いたしまして、京都で一人暮らしを始めるようになったんですね。このアルバムを家で落ち着いて聴けるようになったのは、実はつい最近の頃。発売直後の頃は、いつも忙しく移動しながら聴いていました。上洛*1する新幹線の中で聴いたこともありました。僕の新生活の始まりの記憶は、まさにこのアルバムとともに僕の中に刻まれていると思います。


その1曲目が『学生時代』。「元気かな?」という最初のセリフは、一瞬「歌のおねえさん」風にも聞こえたのですが(笑)、しかしこれは大変に印象的な曲です。東京を離れるとき、様々な方面の友人たちがそれぞれに送別会を開いてくれたのですが、その際久々に再会した友人にも、4月から社会人になる者が何人かいました。穏やかな散会の後、カラオケで夜通し歌うなどということは少なくなるのだろうかと、ふと思いました。僕はまだ学生時代を続けるのだけど、例えば東京にいた頃のあの子と再会する時なんかには、散々苦労してキメた髪型を気にして、バスなんかに乗ってしまうのだろうなあ。雨を走り抜けたりせずに。


そんなことを思っていると、遠距離恋愛を思わせるような2曲目『恋の花』はちょっと切ないです(ちなみに、この曲についての過去の記述はid:natsumi-crazy:20050831、およびid:natsumi-crazy:20050910)。ちょうど僕がこのアルバムを聴き始めた頃から、こちらは桜が満開でした。僕が花見酒を飲みながらウジウジ考えていたことはあまり思い出したくありませんが(笑)。


そんな僕にお似合いなのは、3曲目の『F.O.』。なっちがこんなに「激しい」失恋の歌を歌うのはちょっと新鮮です。刹那的な「大好き!」とか「悲しい」とか、そういう単純なラブ・ソングではなく、「古傷」とか、「予感」とか。長く・短く、1曲の中に「時の流れ」を感じさせるラブ・ソング。「移ろいの曲」だと感じます。それを歌えるなっちには、やはり積み重ねてきた時間というものがあり。何にともなく嫉妬したりもします。


4曲目の『夕暮れ作戦会議』は一転して、ありていに言えば「女の子の等身大の世界」。失恋の歌というより、友情の歌なんですよね。なんとなく男が立ち入れない世界という感じがして、聴いていてムズムズします(笑)。それにしても「宴会」なんて言葉がなっちの歌にあるなんて、これもちょっと新鮮です。俺の話もこんな風に……いえ、なんでもございません(苦笑)。


この曲が終わると、イントロがたまらなく好きな5曲目『夢ならば』。この転換にハッとさせられます。この曲って大変な「リアリティ」の曲だと思うんですよね。男の僕にとって場面が想像しにくい『夕暮れ作戦会議』から『夢ならば』に入るとき、なんだか「夢から醒めた」ような気持ちになります。『夢ならば』については改めてきちんと書きます(以前のテクストはid:natsumi-crazy:20050423)。


そして底抜けに明るい6曲目『日曜日 What's Going On』。これね……、いや大好きな曲なんです。大好きで、聴くだけで笑顔になるし、全然意味が無い歌詞もいい。だけど、ある時ふと思ったことが。「つんく♂、これ、あんたがどうしてもやりたかったんじゃねえの?」っていう(笑)。もう、声目立ちすぎだし。でもね、嫌な感じは全くしないんです。むしろ、「どや、これが俺の自慢の安倍なつみや、わかったか!!」っていう想いをなんとなく感じて微笑ましくなるんですね。ていうか、羨ましい。つんく♂はいつか「こいつらの一番のファンでいたい」と言っていた記憶がありますが、それは本当なのだろうと思います。


ここでちょっと休憩。後半は明日以降に書きます。

*1:京都では今も普通にこの言葉使うんですね。びっくりしました