写真集『Fu』感想(9)

・P18〜19
P14〜15と同じ、白い空間のなっち。同じように回転運動の如く身体をねじっています。そして、笑顔のなっち。軽くウェーブのかかったような髪の毛が空中に踊っています。P18では全身が写され、なっちの視線は地面を向いている一方で、P19ではなっちの顔がもっと大きく写されています。


なっちの笑顔は数ある中で、これらの写真は僕には非常に新鮮な印象を与えました。特にP19のもの。「嬉しさ」というよりは「楽しさ」が表れたような笑顔。僕にとって新鮮だったのは、なっちの目線だと思います。普段のショップで売られるような写真とは異なり、このなっちはファインダーではなく、どこか遠くを見ているようです。真っ白な空間、きっとこれはスタジオの中なのでしょうが、写真のフレームの中だけを見ている僕には、まるでなっちが無限に続く真っ白な空間の中に立っているように思えます。どこに目をやっても同じに見えるのに、そこでなっちが「楽しそうな顔で」遠くを見つめているということ。なんだか心に訴えかけるものがあります。


どうやら一日2Pぶんが限度のようです(笑)。また次回。