「おとめちっくBank」大阪夜公演感想その2(ネタバレあり)

というわけで、知的態度から遠く離れて(笑)、動物的になっちコンサートの感想をば。


01『F.O.』、02『夢ならば』については前回書いた通り。同じ失恋を描いた曲ながら、その視点は全く別の2曲。この2曲で挟み撃ちにするが如く、一つの世界が築かれたような気がします。なっちの歌唱は物凄くしっかりしていて、僕を含めた客席からのレスポンスも確かなものだったように感じました。ガツン、ガツン、という感じ。骨太な始まりでした。


MCを挟んで03『スイートホリック』。僕はこの曲好きなんですけど、まず時間が無くてシングルとしてのこの曲自体への感想を書いていないのが問題ですね。端的に言うと、なんかこの曲って「空気に対してビートを刻む」ような印象があるんですね。随分抽象的な表現ですけど、例えば日々の生活でこの曲を聴いていると、僕はそのように感じているのです。ライブ会場でもそれは同じで、ライブそのものにリズムを与えてくれたような気がしました。またこの曲について書くときに、詳しく。


04『エレベーター二人ぽっち』。なっちの歌から舞台演出まで、精緻に創られていました。どちらかと言えば感情を歌に乗せてドカン!という感じのそれまで3曲に比べ、計算されて精密に組み立てられたようなパフォーマンスのこの曲。たぶん、普通にこの曲が歌われたならそこまでではないのでしょうが、前の3曲によってなっちの世界がきちんと形成されていた、というか、なっちの世界が会場全体を飲み込んでいたからこそ、僕はこの曲の世界に没入することが出来ました。たぶんあの瞬間、大阪厚生年金会館自体が巨大な一つのエレベーターになっていて、そして会場にいる一人一人が皆、なっちと「二人ぽっち」になっていたのかなと思います。僕ももちろん、その一人でした。


05『だって 生きてかなくちゃ』。なっちに代表曲は数あれど、なっちの「シリアスな衝動」を象徴しているのはなんと言ってもこの曲だと思います。たぶん、最も無防備ななっちの心に触れられる曲です。近くで見るときには、なっちの表情の繊細かつ目まぐるしい変化を楽しみにしているのですが、遠くから見ると表情の変化による微妙な空気の変化を感じることが出来る気がして、それはそれで楽しかったです。そんな変化までビンビン伝わってくるような、物凄く「衝動の伝導率」が高い空気がありました。


ちょっとここで休憩。ブラジル対クロアチアに集中します(笑)。続きはまた今度。写真集のこともあるし、ザ・ストレスのこともあるし、色々書かないと。嬉しい悲鳴ですね。