きょうのたびびと

先日、「京の旅人」コンサートに行ってまいりました。


短い期間ながら京都で生活しているのに、恥ずかしながら円山公園音楽堂に足を踏み入れたことはありませんでした。ばんばひろふみさんの仰るように、このような素晴らしい会場を我が街に持つ者としては、やはりそれに誇りを持って、大切にしなければならない。


と、思わせてくれるような、素晴らしいコンサートでした。
中心となってコンサートを成功させたばんばひろふみさん・杉田二郎さんに敬意を。京都市民としてもね。


京都の空の暮れ方が好きなんです。たまに、それぞれの街でそれぞれの空が暮れていくのだ、今もどこかの街でなっちの空が暮れていっているのだなあ、そしてその空もこの空もつながっているのだなあ、と、『空 LIFE GOES ON』的に思ったりしているんですが。


暮れる京の空の下、僕のいつもの空の下でなっちが歌う。それは素敵なことでした。
この間「なっちがとても近く感じる」と書いたのだけど、それを象徴してくれるような経験でした。


たとえ、なっちが1人で歌う曲が1曲だけだったとしてもね。大変な緊張感と自然に歌を愛するコンサートの空気を同時にはらんだ、ちょっと普段と違うなっちの歌声でした。
岩崎さんの存在も、心強かったのではないかな。二人で素敵な音を聴かせてくれました。


出演された多くの素晴らしいミュージシャンの方も、ほとんどの観客の方*1も、音楽を大切に大切に愛でているような空気があって、とても心地よい秋の夜でした。


僕としては特に、伊勢正三さんの『22歳の別れ』、白鳥英美子さんの『アメイジング・グレイス』を聴けたことが良かったですね。白鳥さんのア・カペラの歌声は圧巻でした。

Amazing grace! how sweet the sound
That saved a wretch like me
I once was lost, but now am found
Was blind, but now I see.


おお驚くばかりの恵み、なんと美しい響きか
それは私のごとき卑劣漢さえ救ってくれる
私はかつて失われ、しかし今見出される
かつては盲目であったが、今私には見えるのだ
(失礼ながら…拙訳です)


その優しい歌声は空へ吸い込まれて行くようでした。
秋の夜風が歌声に敬意を表して、通り道を作っているかのようでした。


なっちはそれを見ていたかな。
いつかあなたの歌声も。


素敵な体験でした。

*1:つまり、お揃いのオレンジTシャツを着てたり、ペンライトをアホほど振り回したり、妙な動きや奇声で声援を送ったりしていた一部の人々以外ね